
こんにちは。なんばの花屋のドラえもんです。
先日、とうとつに子供から「おとうさん、色即是空ってなに?」と聞かれました。
理由はクレヨンしんちゃんの野原家の床の間に飾られていたからです。
きたきた!
そんな話は大好きなので、速攻で乗っかって行きました。
まずはお釈迦さんが説いたお経のなかの一部のことばということから。
そして、そのことばはいままででいろんな解釈がされていて一概に「これっ!」ていうことが解明されてないということも。
とってもとっても小さな世界。量子力学では【シュレディンガーの猫】に例えられて皮肉られたはなし。に似ている・・・。などなど。
んー・・・。しゃべればしゃべるほど、子供は理解できないみたいで、ちんぷんかんぷん!という表情でした。
うーん。むずかしい。どうやって説明すれば。・・・。(そういえばお坊さんだって解釈がバラバラなようだった)
それなら、これならどうだどと言わんばかりに、「クレヨンしんちゃんの野原家」にたとえてしまいました。あっているかどうか不安でしたが。
まずは野原家のおとうさん。
野原ひろしは妻であるみさえに、足が臭いだの靴下が殺人的臭いだとさわぎたてられる。でもひろし本人はあんまり気にしない。自称ジャスミンの香りとも言う。
かあちゃんである
みさえはしんちゃんにやたら【ケツ】がでかいと言われてしまう。しまいには【ケツでかお化け】とまで。
みさえのおしりはしんちゃんの視点からはいつもデカでかと表現されている。でもみさえ本人はそんなに大きくないと思っているみたい。なはず。
そして最後に主人公のしんちゃんは、みさえやひろしに幼稚園児らしからぬ偉そうな言葉づかいをする。親をたまに呼び捨てにしたり、ひろしに対して子供らしからぬ大人の表現のたとえを使う。いつもその表現はだじゃれのように間違っているのに、なぜかキッパリと言い切る。ひろしは「それを言うなら… 」と、その場面を閉めていく。しんのすけ本人はべつに親をバカにしているわけでもなく、ただたんに自分の表現がこれなんだと普通に思っている。
そんな理由からか当時テレビアニメが放送されてたころ、親が見せたくないマンガアニメ、ナンバー1となってしまったことも。
でも現在では日本を代表する国民的アニメ。放送回数を重ねて行くごとに大人気になってしまう。
なぜか。。。。
ふつうに、すげーおもしろいー。というひとが多数なはずです。でもそこはスーパー原作者。あえて野原家の床の間に「色即是空」をかざっているのには訳があるんだと思いました。
いつもの僕の推測ですけど、
「あるけど、ない」。「ないけど、ある」の
色即是空の意図を野原家の家族にたとえてる感じがします。
上に書いたようにそれぞれの家族が家族に対しての主観はまったく違うかんじです。「そう思っている。思わない」「そう思わない。思う」
みんなが絶対的な主観でものごとを進めて行くので、そこにハチャメチャストーリーが生じ、おもしろさが増幅されていきます。
そしていつもおもうのですが、野原家にいるイヌ。「
しろ」はいつも冷静です。ハチャメチャ家族のなかで人間以上に思慮深いです。
そして困った顔がアップにされ、まゆげがさがったままそのアニメの回がおわることがよくあります。
「そう。」「たぶん、しろがお釈迦さまの設定で、野原家の人間たちは自分の思いが絶対と思ってバカだなぁーという感じで野原家に色即是空を飾ってるんちゃうかなぁー」
と、ぼくはこどもに結論付けました。間違ってそうで不安でしたが、こどもは結構気に入った様子で受け入れてくれました。
まずは、こどもがそれなりにわかってくれたので安心しました。
色即是空について偉そうに書いてますが、本当の解釈は正直わかりません。悟りを開いた人だけが理解できるのでしょうか。
そもそも悟りという言葉も理解できない僕なので。おゆるしください。
お花をご注文いただくお客様とのあいだで、過去に色の相違による僕の失敗が何回かありました。
まさしく、花屋の中の空即是色です。
とくにピンク色の花の濃淡によるものでした。
ピンク色のレパートリーは白に近い超パステルピンクもあれば、遠目から見れば赤そのもののビビットピンクもあります。
お客様は「情熱的なピンク」とか「やさしいピンク」とかでご注文なされたりします。まさに感情的な部分も表現なされてきます。
そんなとき僕の想う「情熱ピンク」はちょっと薄かったり、僕のやさしいピンクはちょっと濃かったりします。
そんな失敗をくりかえしながら、当店ではあまりにも細かい色合いの指定はお受けしないことになりました。赤のバラの代表品種、サムライでさえ、生産者や生産時期によって色彩濃度が変わってくるからです。
それからというものお客さまとの会話の中で、花の色のグラデーションの幅を多少多めにとらさせていただいたりします。
昔、ショールームやアパレル関係の展示会で「なになにのこの色指定の花」という仕事をやっていた時、その花を探すのにすごく往生したことを思い出します。
探し回った挙句に全く大阪府にはないことがわかると、あっさりとプリザやアートフラワーに変更になったこともありました。初めから変更可能にしといていただければ・・・。というのも内心思いました。
企業様の商品広告で使用している花以外は、色彩に関してはもうちょっと幅を持たしてもいいんじゃないかなぁと思います。予算は限られているは花は絶対に用意しなければいけないとはほんとに大変なものです。
逃げ口上になるかもしれませんが、彼女の誕生日や記念日にプレゼントした花で、彼女がとっても喜んでくれるのは、花が放つ少しの色合いの濃淡に感動しているのではありません。
わざわざ花屋まで足を運んで自分のために悩みながら選んだことに感動してるのです。
女の子の気持ちはそういうはずです。
花火を見に行くのだって、どこに行くのだって、好きな人と一緒に行けるから楽しくてうれしいのです。
花火を見に行くのは【言い訳】で、わたしを見てほしい・・。というのが【本音】ではないでしょうか?
オンナごころって、ほんとミステリアスですね。