
前回のその1「ナルニア国物語。名言。すごいことと、すごい人」を読んでくれたかた、ありがとうございます。
第3章ではもう一つ名言があったことを思い出しました。この場をかりて書かさせていただきます。
ナルニア物語第3章の主人公のルーシーは、自分より綺麗で美人だと想う、姉のスーザンに憧れを感じます。憧れを感じるあまり、姉そのものになりたいという願望や感覚にとらわれてしまいます。
願望はやがて欲望のようなものになり、おどろおどろする魔法の本の魔術のページを破って、自分のものにしてしまいます。
鏡に映った自分は、ルーシー自身ではなくなり、やがて姉のスーザンそのものになってしまいます。とらわれた心は恍惚感を激しくあふれださせ、うっとりとした表情に変えてゆくのです。
そしてライオンの形をしたアスラン王が静かに近づきます。
そして。
自分から逃げるな。自分の価値を知れ。と、忠告。
我に返ったルーシーは、あわてて破った魔術のページを、暖炉の中へ投げ入れ、燃やしたのです。
この微妙な人のこころの変化の模様を、忠実に再現された名シーンだと感じます。そして人の愚かさと、素晴らしさを対比させたなんとも短く、簡潔な言い回しなのでしょうか。
僕の中ではけっこう座右の銘トップ3、ランクインです。なっとくいただく方は「そうだよね」と共感してくれるはずだと思います。
どんな素晴らしい人物でも、それが歴史的偉人であろうとも、究極に言い切ってしまえば、それは普通の他人です。自分ではありません。自分ではないので、なれるはずもないのです。
僕のともだちが言ってました。結婚式のスピーチが下手くそだけど、それも精一杯やった自分のレベルなのだと。仕事をここまでしかできないのだけれど、それも自分だと。他人の目ばかり気にしないで、精一杯の自分のレベルをまず認めてあげることだと。重要なのは一生けん命やっているかどうかということ。40代にして小学生のレベルのような言葉が、胸に刺さったことを思い返します。
いま現在の自分の価値。お客さんから見る当店の価値。さまざまな角度からの多面的なサービスレベルは満たしているのか?
そんな疑問と戦いながら、青く見えてしまうとなりの芝生をあえて見ないようにし、これから出会うお客様の笑顔をまっすぐに見ていきたいです。