当店花屋の見えるか見えないかのところにアコースティックギターを置いております。
飾りの意味もこめてですけれども、どしゃ降りの雨の超ヒマな時なんかはたまに速いリズムでストロークしてます。5年まえにはシャウトしすぎでお客様に「すいませーん!怒」と叱られたこともありました(笑)申し訳ありませーん!
店の営業時間が終わってからなんかは、たまに音楽好きな友達が来て、ギターを弾いて気持ちよくメロディを口ずさみ、何事もなかったように満足度100パーセントで帰っていくこともちょくちょくあります。
お客様のなかでもギターをやってる方や、音楽が好きな方や、その他の楽器をやってる方は必ずと言っていいほど声をかけていただきます。
そしてお客様に「ギター上手そうですね」というと、必ずと言っていいほどお客さんは謙遜します。
僕が思うに絶対に僕より上手いはずです。つぎのお客様が並んでいないときは、そんな「合コン会話チック」のように面白おかしく謙遜しまくり大会となってます。
そんななかでも特にびっくりしたのが、プロギタリストさんのお知り合いというお客様です。僕の記憶では半年から1年前ぐらいの話だと思います。
フラワーギフトを作り出して数分経った頃、会話としては、こんなかんじです。
彼女は目を細めながら静かな口調で
「ギター弾かれるんですか」
【はい、お客さんもですか】女性なのにかっちょいいなぁ~!美人やし・・
「いえ、そのお花を贈る人、いまから会いにいく人の息子さんがやってたんで」
【というと,もしかしてプロの方ですか】と疑問風に。
ちょっとためらいながら、「そうです・・・・さん知ってますか?」
知ってるもなにも、ちょようすーぱ~メジャーな人じゃん。っていうふうになぜか横浜なまりになるぐらいびっくりしました。
そして彼がサムライJAPANの中田英寿ではないことだけはハッキリとわかっていました。みなさんもご存じのXjapanのHIDEさんのお知り合いの方でした。
彼がもう亡くなってることも重なって、ちょっと混乱して、なんかその後の話がたどたどしくなってしまいました。
あまりプライベートなことに首を突っ込むことは花屋としてダメなので、その後は普通にありがとうございました。となったのですけど、僕のアタマの中ではお客様は彼とどういうつながりですか?という疑問符で埋め尽くされました。
お客様が帰ってあとも、彼女のしとやかな聡明さの余韻だけはまだ店のなかに漂っていました。
後日彼の動画をネットで拝見しました。彼の繊細さを裏返したようなパフォーマンス。完成されたテクニック。躍動するビート。これが人からお金をいただいける【価値】というものなのだ。と痛感させられました。
まあ、一言で言うと「もう、跳ねまっくってる」という表現があってるなと。YOSHIKIもTOSHIも跳ねまくっているし、ほんとスゴイバンドだなぁ~とあらためて感心しました。命にエネルギーがハジケテルひとたちって互いに引き合う運命があるのではないでしょうか。モーツァルトも、マリーアントワネットとかベートーベンとかと会ってるし。
僕のギターテクニックはとうてい彼らに比べれるとカスみたいものですけれど、フラワーショップに「跳ねまくっている」状態があるとしたら、それはどんな状態だろう。
ぼくが想像するには、ある意味思ったよりも「跳ねていない、静かな落ち着いた場所」があるかもしれない。と思ってしまう。
花屋さんって、基本癒しの空間だと思うんです。全国の花屋さんたち、そう思いませんか?お客さんの目をじっくり見ると、明らかに癒されに来店してますよ。言い換えれば、誰かをあいしてる感情を持って来店したり、逆に誰かに「愛されたい」とおもう人もいたりして、そんないろんな感情が交差している特殊な空間だとおもうんです。
HIDEさん、僕が一番好きなXjapanの曲は『DAHLIA』です。あのギターリフむちゃくちゃカッコイイですよ!ほんとHIDEさんらしいリフです!